みなさんこんにちは!
町田ボーカルスクールです!
今回は、多くの方が憧れる Mrs. GREEN APPLE のボーカル・大森元貴さんの「ファルセット(裏声)」をテーマに解説していきたいと思います。
「ケセラセラ」「ダンスホール」「青と夏」など、ミセスの楽曲には伸びやかで透明感のあるファルセットがふんだんに使われていて、カラオケで歌おうとして「裏声がスカスカになってしまう」「地声から裏声に切り替わる瞬間で声がひっくり返る」と悩む方がとても多いパートでもあります。
実際、当スクールのレッスンでも「ミセスみたいな綺麗な裏声が出したい」というご相談は本当に多いです。
そこで今回は、大森元貴さんのファルセットがなぜあれほど美しく聞こえるのかを発声の仕組みから整理しつつ、最大の山場である「地声と裏声の繋ぎ」を滑らかにする練習方法を、実際のレッスンでのやり取りも交えながら詳しく解説していきます。
それでは早速いってみましょう!
Mrs. GREEN APPLE・大森元貴さんのファルセットの魅力
まずは、大森元貴さんの歌声の特徴を簡単に整理しておきましょう。
大森さんの大きな魅力は、繊細で透明感のあるファルセットと、力強い地声(チェストボイス)を、まるで境目がないかのように行き来できるところにあります。
一般的に、成人男性が地声で無理なく出せる上限はE4〜G4あたりと言われていますが、大森さんはそこからさらに上の音域を、地声・ミックスボイス・ファルセットを巧みに切り替えながら自在に歌い上げます。
特に注目したいのが、地声から裏声へ切り替わる瞬間(換声点)を、ほとんど聞き手に感じさせないという点です。
多くの人がつまずく「声がひっくり返る境目」を、大森さんはとても滑らかに繋いでいるのです。
もう一つの特徴は、フレーズの入り口でわずかに息を混ぜ、サビに向かうにつれて息を絞って芯のある声へと移行していく、「息」と「鳴り」のバランス感覚です。
この「息を混ぜたやわらかい裏声」と「芯のある力強い声」を自由に行き来できることが、大森さんのファルセットが単なる弱い裏声ではなく、表現力のある声として聞こえる理由です。
そもそもファルセット(裏声)とは?
ここで一度、「ファルセット」という言葉を整理しておきましょう。
ファルセットとは、日本語で言うところの「裏声」のことです。
地声(チェストボイス)が声帯をしっかり閉じて分厚く振動させて出すのに対して、ファルセットは声帯の合わさり方がゆるやかで、息が多く混ざったやわらかい響きになります。
ミセスの楽曲で言えば、サビの高いところでふっと軽く抜けるような声が出てくる瞬間、あれがまさにファルセットです。
ファルセットと地声の違い
地声とファルセットの一番の違いは、声帯の閉じ方の強さです。
地声は声帯をしっかり閉じて鳴らすため、太く・強く・はっきりした音になります。
一方でファルセットは声帯の閉じが弱く、息が多めに流れるため、やわらかく・軽く・少し息っぽい音になります。
つまり、地声と裏声は「別の声」ではなく、声帯の閉じ具合と息の量の違いによって生まれる、地続きのものだと考えると理解しやすくなります。
ファルセットとヘッドボイスの違い
裏声についてもう少し細かく見ていくと、よく出てくるのが「ヘッドボイス」という言葉です。
ざっくり言うと、同じ裏声の中でも、息が多めでやわらかいものが「ファルセット」、声帯がしっかり閉じて芯のある響きを持つものが「ヘッドボイス」と呼ばれることが多いです。
大森元貴さんの凄いところは、息の多い繊細なファルセットだけでなく、芯のある力強いヘッドボイスまで、同じ裏声の中でグラデーションのように使い分けている点にあります。
この記事では細かい用語の違いに深入りしすぎず、「地声」と「裏声(ファルセット)」をいかに滑らかに繋ぐか、という部分に絞って解説していきます。
大森元貴さんのファルセットがなぜ美しく聞こえるのか
では、なぜ大森さんのファルセットはあれほど美しく、表現力豊かに聞こえるのでしょうか。
「息」と「鳴り」のバランスが絶妙
一つ目の理由は、先ほども触れた「息」と「鳴り」のバランスです。
息が多すぎる裏声は、いわゆる「スカスカの弱々しい声」になってしまいます。
反対に、いきなり鳴らそうとして力むと、裏声なのに喉が締まって苦しそうな声になってしまいます。
大森さんは、この中間の「ほどよく息が流れていて、かつ芯もある」というバランスの良いポイントを、音域や歌詞に合わせて細かくコントロールしているのです。
換声点を感じさせない滑らかな繋ぎ
二つ目の理由が、この記事のメインテーマでもある「地声と裏声の繋ぎ」の滑らかさです。
地声と裏声が切り替わる音域のことを「換声点(かんせいてん)」と呼びます。
多くの方が、この換声点で「声がひっくり返る」「急に声が弱くなる」といった段差を感じてしまいます。
大森さんは、この換声点の前後で声帯の閉じ具合と息の量を少しずつ変化させることで、地声から裏声への切り替わりをほとんど段差なく繋いでいます。
だからこそ、聞いている側は「あ、今裏声に変わったな」と気づかないまま、自然に高音まで聞き惚れてしまうのです。
逆に言えば、ミセスの曲を気持ちよく歌うためには、この「地声と裏声の繋ぎ」を制することが何よりの近道になります。
綺麗なファルセットを出したい方は「ボイトレ体験レッスン」へ!地声と裏声の繋ぎ(換声点)を滑らかにする練習法
ここからは、実際のレッスンでも行っている「地声と裏声を滑らかに繋ぐ」練習方法を紹介していきます。
レッスンで多い「繋ぎ」のお悩み
当スクールに「ミセスの曲を歌いたい」と来られる生徒さんの多くは、最初はこんな状態でつまずいています。
・地声で頑張って引っ張った結果、高音で喉が締まって苦しくなる
・裏声に逃げると、今度は急に声が弱くなって曲に負ける
・地声から裏声に切り替わる瞬間に「ガクッ」と段差ができる
・裏声が息漏れだらけでスカスカになってしまう
先日も、ダンスホールを歌いたいという男性の生徒さんが、サビの高音をすべて地声で押し切ろうとして、毎回同じ場所で喉が詰まってしまっていました。
そこで私は、「ここは無理に地声で頑張らず、一度わざと裏声にひっくり返してみましょう」とお伝えしました。
多くの方は「ひっくり返る=失敗」だと思い込んでいますが、まずはあえて裏声側に振り切って、地声と裏声を行き来する感覚そのものに慣れることが、繋ぎを滑らかにする第一歩になります。
①リップロールで繋ぎの感覚を掴む
最初におすすめしたいのが、唇を閉じて「プルルル」と震わせる「リップロール」です。
リップロールには、喉の余計な力みを取りながら、地声から裏声への移動を練習できるという大きなメリットがあります。
やり方はシンプルで、低い音から高い音まで、サイレンのように「ウ〜ッ」と上下に行き来するだけです。
この時、地声と裏声が切り替わる換声点でも、唇の震えを止めずに、なめらかに上下できることを目指します。
実際のレッスンでも、声でいきなり繋ごうとすると段差ができてしまう生徒さんが、リップロールにすると驚くほどスムーズに上下できるケースがよくあります。
これは、リップロールによって喉の力みが抜け、声帯が自然に薄くなっていくからです。
まずはリップロールで「段差のない上下移動」の感覚を体に覚えさせていきましょう。
②母音を「ウ」や「オ」に寄せて繋ぐ
次のステップは、母音の選び方です。
地声と裏声を繋ぐ練習をするとき、いきなり「ア」で大きく歌おうとすると、喉が開きすぎて段差ができやすくなります。
そこでおすすめなのが、「ウ」や「オ」といった、口の中が縦に集まりやすい母音から始めることです。
「ウ」や「オ」は声帯が薄く扱いやすく、地声から裏声への切り替えがマイルドになるため、換声点の段差を感じにくくなります。
レッスンでは、まず「ウ」で換声点をまたぐスケールを練習し、滑らかに繋がるようになってきたら、少しずつ「オ」→「エ」→「ア」と、開いた母音に近づけていきます。
ミセスの曲を歌うときも、高音の「ア」を少しだけ「オ」寄りに発音するイメージを持つだけで、ぐっと繋ぎが楽になることがあります。
③跳躍音形で裏声に素早く当てる
繋ぎの感覚が少しずつ掴めてきたら、当スクールでよく行う「跳躍(ちょうやく)音形」の練習に進みます。
これは、隣り合った音を順番に上がっていくのではなく、低い音から一気に高い音へジャンプする音の形で練習する方法です。
例えば、低い地声から、オクターブ上の裏声へ「ポンッ」と飛ぶように声を当てていきます。
階段を一段ずつ上がろうとすると換声点で詰まってしまう人でも、いっそ高い音へジャンプしてしまった方が、裏声のポジションに素早く・正確に当てられることが多いのです。
実際、地声で粘ってしまう癖のある生徒さんには、この跳躍練習がとても効果的でした。
低い音と高い裏声を交互に行き来するうちに、「裏声はこの辺に置けばいいんだ」という着地点の感覚が体に染み込んでいきます。
慣れてきたら、跳躍する幅を少しずつ変えたり、跳んだ先の裏声を伸ばしたりして、安定して当てられる範囲を広げていきましょう。
④ファルセットの息漏れを少しずつ整える
最後に、ファルセット自体の質を上げる練習です。
繋ぎが滑らかになっても、肝心の裏声がスカスカでは、ミセスのような芯のあるファルセットにはなりません。
そこで、出している裏声に対して、少しだけ息の量を減らしてみる練習をします。
イメージとしては、「ハー」という息っぽい裏声から、「フー」を経て、少し芯のある「オー」へと、息を絞っていく感覚です。
この時に大切なのは、息を減らそうとして喉を「ギュッ」と締めないことです。
喉を締めて鳴らした裏声は、一見芯があるように聞こえても、すぐに苦しくなり、長く伸ばせません。
レッスンでは、「喉を締めて鳴らす」のではなく、「息のスピードを保ったまま、息の量だけを少し減らす」という感覚を、何度も確認しながら進めていきます。
この息漏れのコントロールができるようになると、やわらかいファルセットと、芯のあるファルセットを自在に使い分けられるようになり、一気にミセスらしい表現に近づいていきます。
地声と裏声を滑らかに繋ぎたい方は「ボイトレ体験レッスン」へ!Mrs. GREEN APPLE・ファルセットに関するよくある質問
大森元貴さんのような綺麗なファルセットは、誰でも出せるようになりますか?
もともとの声質や音域には個人差がありますが、ファルセットの出し方や地声との繋ぎは、練習によって誰でも上達できます。
大森元貴さんのように完全に同じ声になることは難しくても、「息漏れの少ない、芯のあるファルセット」や「段差のない滑らかな繋ぎ」は、正しい練習を重ねることで着実に近づいていけます。
大切なのは、最初から高音を頑張って出そうとするのではなく、リップロールや跳躍練習で、地声と裏声を行き来する感覚を育てていくことです。
地声から裏声に切り替わるときに声がひっくり返ってしまいます。どうすればいいですか?
声がひっくり返るのは、地声を高い音まで無理に引っ張りすぎていることが大きな原因です。
まずは「ひっくり返る=失敗」という思い込みを手放し、あえて早めに裏声へ切り替える練習から始めてみてください。
リップロールで段差なく上下する感覚を掴んだり、母音を「ウ」や「オ」に寄せたりするだけでも、繋ぎはかなり滑らかになります。
それでも段差が気になる場合は、換声点付近の声帯の使い方に癖がある可能性があるので、一度ボイストレーナーに見てもらうと改善が早くなります。
ファルセットがスカスカで弱くなってしまいます。改善できますか?
改善できます。
スカスカのファルセットは、息が多すぎて声帯がうまく合わさっていない状態です。
出している裏声に対して、喉を締めずに息の量だけを少しずつ減らしていくと、芯のあるファルセットに近づいていきます。
ただし、芯を出そうとして喉を締めてしまうと、苦しく長く続かない声になってしまいます。
「息のスピードは保ったまま、息の量だけを減らす」という感覚を、少しずつ練習していくことが大切です。
ミセスの曲はキーが高いですが、原曲キーで歌えないとダメですか?
原曲キーにこだわる必要はありません。
Mrs. GREEN APPLE の楽曲は全体的にキーが高く、特に初心者の方がいきなり原曲キーで歌うと、喉に負担がかかりやすいです。
まずは自分が無理なく地声と裏声を繋げるキーまで下げて、滑らかな繋ぎと安定したファルセットの感覚を身につける方が、結果的に上達は早くなります。
繋ぎとファルセットが安定してきたら、少しずつキーを上げて原曲に近づけていきましょう。
ファルセットの練習は独学でもできますか?
ある程度は独学でも練習できます。
リップロールでの上下練習や、母音を「ウ」や「オ」に寄せる練習、跳躍音形での裏声の当て方などは、自宅でも取り組めます。
ただし、ファルセットは「喉を締めて鳴らす」のと「息を整えて芯を出す」のを勘違いしやすい発声でもあります。
自分では綺麗に出せているつもりでも、実際には喉を締めて無理やり出している場合があります。
声がかすれる、喉が痛い、すぐ疲れるといった症状がある場合は、独学で続けず、一度ボイストレーナーに確認してもらうことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Mrs. GREEN APPLE・大森元貴さんのファルセットが美しく聞こえるのは、単に高い裏声が出せるからではありません。
「息」と「鳴り」のバランスを細かくコントロールし、地声と裏声の繋ぎ目(換声点)を段差なく滑らかに繋いでいるからこそ、あの自然で表現力豊かな歌声が生まれているのです。
そして、この「地声と裏声の繋ぎ」と「ファルセットの質」は、正しい順序で練習すれば誰でも少しずつ上達していけます。
今回紹介した、
・リップロールで段差のない上下移動を覚える
・母音を「ウ」や「オ」に寄せて繋ぎをマイルドにする
・跳躍音形で裏声に素早く当てる
・息漏れを整えて芯のあるファルセットにする
こうした練習を、無理のない範囲で少しずつ重ねていきましょう。
特に高音域では、焦って地声で押し切ろうとすると、喉を痛める原因になります。力で押すのではなく、「どうすれば楽に繋がるか」を探す意識を持つことが、ミセスらしい歌声への近道です。
あなたの声も、練習次第で必ず変わっていきます。一緒に、憧れのファルセットを目指していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
町田ボーカルスクール 体験レッスンはコチラ!